【ブログ】トイレからはじまる“いのち”の話 第1回 ~夜間頻尿で眠れない…原因と対処法を泌尿器科医が解説①~
- akiyamahinyoukika
- 10月23日
- 読了時間: 3分
こんにちは。院長の秋山恭二朗です。
今年も肌寒い季節になってきました。
みなさん、トイレのお悩み、我慢していませんか?
診察をしていると、患者さんから「もっと早く受診しておけばよかった」「どこに相談したらよいか分からんかった」「恥ずかしくて我慢しとった」――そんな言葉を耳にすることがよくあります。
そのたびに、「もう少し早く受診を考えてもらう、きっかけを作れないかな…」と感じていました。
そこで、このブログ「トイレからはじまる“いのち”の話」を始めてみることにしました。
(大それたタイトルですいません…)
泌尿器に関する症状や病気のことを、泌尿器科専門医の立場から、できるだけ分かりやすく、お伝えしていけたらと思っています。
少しでも皆さんが“受診してみようかな”と思えるきっかけになればうれしいです。
まずは不定期で月1~2回を目標に続けていこうと思います。
手打ちで文章をつくっているため、多少、誤字脱字があるかもしれません。ご容赦頂けますと幸いです…。
それでは、はじめて行きます。
第1回のテーマは「夜間頻尿で眠れない…原因と対処法①」。
夜のトイレが増える理由と、その背景にある体の変化を、数回にわたってお話していこうと思います。
夜中に何度もトイレに起きてしまい、ぐっすり眠れない――そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。
「歳のせいかな」と思ってつい我慢してしまう方も多いのですが、実は“夜間頻尿”にはいくつかの原因があり、放っておくと健康に影響を及ぼすこともあります。
そもそも“夜間頻尿”とはなんでしょう?
夜間頻尿というのは、「夜、就寝後にトイレに行くために1回以上起きなければならず、これにより日常生活に支障をきたし、困っている状態」のことをいいます。
実は排尿にかかわるあらゆる症状の中で、男女ともに一番多い症状なんです!
70歳以上では男女ともに半数以上、80歳以上ではほとんどの人が夜間にトイレに起きています。
ただ、夜の尿回数が多くても、本人や家族の生活に支障がなければ治療する必要はありません。
しかし多くの方は、夜間の排尿回数が2回以上になると、睡眠不足により日中の眠気、疲れが取れない、倦怠感といった症状が出てくるようになります。
またご高齢の方だと、夜中に何度もトイレに行くため、転倒によるけがや骨折のリスクが高まることも問題となります。
考えられる原因は大きく分けて3つあります。
① 前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱などの泌尿器科の病気
② 夜間多尿 (夜間多尿とは、夜間(寝てから起きるまで)の尿量が1日全体の尿量の33%を超える(若年者では20%)ことを言います。)
③ 睡眠障害
どれも治療することで、改善が期待できる病気です。
ただ、それぞれの原因によって治療法が違うので、初診時からしっかりと次のような検査していきます。
【絶対に必要な検査】
問診、尿検査
【状況に応じて必要な検査】
超音波検査、血液検査、尿培養、尿細胞診(悪性有無の確認)、排尿日誌(1日の尿の量、水分摂取量などを、時間ごとに細かく記載して頂く日誌)、膀胱鏡、CT
上記を検査の上で、治療を選択していきます。(次回へ続く)
今回は以上となります。
このような内容を今後徐々にお伝えしていければと思います。今後も見ていただける方は、是非ホームページを引き続きご確認ください。
次回は「夜間頻尿で眠れない…原因と対処法②」
夜間頻尿の原因となる各病気を、治療を含め、より詳しくお伝えできればと思います。
よろしくお願いいたします。
コメント